早く建てたいお客さんの罠

あなたは、早く建てたがっている
お客さんってどう思いますか?

 

もちろん営業マンにとっては
嬉しいお客さんなんですが、

 

僕は、

上手い話はついつい疑ってしまうので、
お客さんが早く建てたがっていると
かなり慎重になります。

 

でも、この時はちょっと別でした。

 

そのお客さんは、
30才のご主人と28才の奥さんで、
まだお子さんはいませんでした。

 

もちろん、土地なしです。

 

最初に展示場に来た時は、
他のメーカーさんの展示場をいくつか
回ったという事でしたが、

 

どこへ行ってもぜんぜん相手にされない
という感じで、ちょっと可哀相でした。

 

僕は基本的に他のメーカーさんで相手に
されないお客さんは好きなので、
じっくり話を聴く事にしたんです。

 

他のメーカーさんに相手にされない
という事は、予算的に厳しい土地なしの
お客さんの可能性が高いです。

 

でも、まったく競合しなくて独占状態に
なります。

 

更に、僕は厳しいお客さんの問題を解決
する事が、趣味みたいに感じていたので
楽しかったんです。

 

「お前はドMかっ」

って突っ込まれそうですが、
そうかも知れません。笑

 

さて、そのお客さんは案の定予算が
厳しいというよりは、絶望的でした。

 

年収が400万円未満で、

自己資金は0で、

車のローンが残100万円です。

 

普通の住宅営業マンなら逃げたくなる
かも知れませんね。笑

 

それでも、そのお客さんは

「何とかなりませんか?」

って言ってくるんです。

 

そこで、
そのお客さんに僕が最初に話した事は、
何だと思います?

 

あなたなら、なんて言いますか?

 

僕は、

「はい、大丈夫ですよ」

「家、建てられますよ」

「・・・・」

 

「まずは車のローンをローンを
返しましょうか」

と、言いました。

 

すると、そのお客さんは素直に

「はい、わかりました」

と言って、帰っていきました。

 

僕は、相手にしなかった訳じゃなくて、
そのお客さんのやる気を試したんです。

 

車のローンを返して、また来てくれたら
本当に建てられるので、

 

本気ならローンを返すでしょう。

 

そんな事があってから約半年後の事です。

 

僕も実は、すっかりそのお客さんの事は
忘れていたんですが、

なんと、帰ってきたんです。

 

僕が出て行って開口一番

「ローン返しましたっ」

って言うんです。

 

さすがに僕も驚きました。

 

だって、

年収400万円未満のサラリーマンが、
半年で100万円返すって

凄くないですか?

 

驚いたというより、
感動して嬉しくなりました。

 

その後、もちろん土地を探して無事に
契約に至ったんですが、

 

問題は、なんでこのお客さんはそんなに
頑張ったのかという事なんです。

 

僕は、当初はあまり気にしていなかったん
ですが、その理由は・・・

 

当時住んでいたアパートで、隣の住人と
トラブルがあって、かなり揉めていて
最悪な関係だったそうなんです。

 

そして、奥さんは専業主婦だったので、
ずっと家にいる訳ですから、
本当にかなり辛い思いをしていて、

 

一日も早くそのアパートを出たかった
そうなんです。

 

いかがでしょうか?

 

人は、何かを欲しいという欲よりも
痛みを避けたいという欲の方が
ぜんぜん強いんです。

 

辛い状況から逃げたいと思えば、
必死に頑張るんですね。

 

僕も、最初にこの事を聴いておけば、
このお客さんの事をもっと深く考えて
いたと思います。

 

たまたま他社の営業マンが相手に
しなかったから良かったんですが、
もしそうでなかったら・・・。

 

ですから、あなたにもわかっておいて
欲しいのは、

お客さんがなんで家を建てたいのか?

 

という事を、
しっかり聴いてあげて欲しいんです。

 

そうしたら、
お客さんにとって、頼れる営業マンに
なる事が出来ます。

 

そうしたら、そのお客さんは、
あなたに契約してもらうしか
考えられなくなります。

 

例え、あなたが嫌だと言ってもです。

 

ですから、本当に大事なので、
よ〜く覚えておいてください。

 

それでは、また次回をお楽しみに。

 

今回も最後までお読み頂きまして
ありがとうございます。

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